キリスト教式の葬儀についてQ＆A

遺族・喪家側

キリスト教式の葬儀は、神父や牧師の先導によって始まります。宗派や教会により式次第が異なるため、事前の打ち合わせが大切になります。

Q実家は仏教ですが、亡くなった妹だけはクリスチャンです。両親は、仏式で葬儀をして菩提寺のお墓に入れると言っていますが大丈夫でしょうか？

A仏式で葬儀を行うのは可能ですが、菩提寺によっては仏教へ改宗してからでないとお墓には入れないなど、条件があるところもあります。まずは、菩提寺に相談をしましょう。ただし、「キリスト教式の葬儀をしたい」との意向が遺言として残っている場合は難しいでしょう。独断で決めるのではなく、故人様の意向や他の親族の意見等を考慮して考えるようにするとよいでしょう。

Q親族の中で我が家だけがキリスト教です。初めてキリスト教式の葬儀をするので何もわからないんだけど、葬儀社に頼めば対応してもらえますか？

A葬儀社は仏式だけではなく、神式・キリスト教式等さまざまな葬儀に対応しています。まずは、相談してみましょう。キリスト教といっても、カトリックなのかプロテスタントなのか、また宗派や教会によっても、葬儀の流れは異なります。わからない事は葬儀社に相談して、教会とも事前の打ち合わせをしっかりするとよいでしょう。

Q数年前に亡くなった父は菩提寺のお墓に入っています。今回母が亡くなったのですが、母はクリスチャンでした。葬儀もキリスト教式で行いましたので、父と同じお墓には入れません。公共墓地に母だけのお墓を作っていいものでしょうか？

Aクリスチャンであればお寺のお墓には入れないので、公共墓地にお墓を作って入ってもいいですし、通っていた教会に相談すると、墓地を案内してくれることもあるようです。キリスト教の墓地は、基本的に芝生の上に建てられるので、故人様の好きそうな場所や景色の公共墓地を探すようにしてあげるとよいでしょう。キリスト教のお墓は、特に決まった形等はありませんし、お墓に刻む文字も自由です。

Qカトリック信者である妹の葬儀を親族のみで行いますが、妹以外はカトリック信者ではありませんので、通夜は行わず葬儀・告別式からにして大丈夫でしょうか？

Aキリスト教式では本来、お通夜という考え方はありませんので大丈夫です。ちなみに日本の慣習に合わせ、カトリックではお通夜の事を「通夜の祈り」、プロテスタントでは「前夜祭(式)」として行うこともあります。それぞれ若干の違いはありますが、聖書朗読や祈り、讃美歌斉唱、献花等が行われ、閉式後に軽食などで簡単な会食をするのが一般的なようです。

キリスト教式の流れ

故人様の所属する教会か葬儀社に相談しましょう。

キリスト教式の葬儀は、まずは故人様の所属する教会に依頼します。しかし、教会の規模、参列者の人数などによっては、その教会で葬儀を行う事が難しい場合もあります。その場合は、葬儀社に依頼するとよいでしょう。本来、キリスト教式の葬儀は、信者とその家族が対象です。とくにカトリックの場合、葬儀を行うのは洗礼を受けた信者であることが条件なので、教会に通い、洗礼を受ける必要があります。もし、洗礼を受ける前に危篤になるようなことがあれば、臨終間際に洗礼を受ける場合もあります。ただし、プロテスタントの場合は、信者ではない人の葬儀も受け付けてくれる場合があります。信者ではないがキリスト教式の葬儀を行いたいという場合は、やはり葬儀社にお願いするとよいでしょう。キリスト教式では、基本的に故人様をお棺に納める「納棺式」は自宅に神父や牧師に来ていただくこともあれば、遺族のみで行う事もあります。また、出棺とは、葬儀のため自宅から教会へお棺を移動することをさします。しかし、最近では納棺式から教会で行い、火葬場に向かう際「出棺式」という式を行う事も多いようです。もともと、キリスト教には、お通夜にあたる儀式はありませんが、日本の風習にならって、カトリックでは「通夜の祈り」プロテスタントでは「前夜祭（式）」が行われます。それぞれ若干の違いはありますが、讃美歌斉唱・聖書朗読・祈り・献花等が行われ、閉式後はお茶とお茶菓子、軽食等で簡単な会食をするのが一般的です。また、葬儀・告別式も、カトリックとプロテスタントでは違いがあります。カトリックは教義や儀式を重視する傾向が強く、言葉の典礼、感謝の典礼、赦禱式等が行われます。一方、プロテスタントでは聖書朗読、讃美歌斉唱、祈禱、オルガン演奏などが行われます。火葬場での流れも、カトリックとプロテスタントでは違いはありますが、お棺の前で聖書朗読・祈禱・讃美歌斉唱等を行います。火葬後は一度自宅にて遺骨を安置した後、納骨は7日目、もしくは１カ月後に行う場合が多いようです。

〇式次第や讃美歌等のプリント

キリスト教式の葬儀に慣れていない参列者のために、必要に応じて式次第や讃美歌等がまとめられたプリントを準備しておくとよいでしょう。