数珠(念珠)
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2022.02.01
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数珠(念珠)
前提として数珠と念珠は同じ仏具であります。
数珠とはそもそも何を目的として用いる仏具なのでしょうか。
数珠の起源
数珠の起源は、玉を使って祈りの回数を数える古代インドのヒンドゥー教徒の習慣で用いられる器具でした。この習慣が念仏を唱える仏教に取り入れられました。
仏教における数珠
珠は念仏を唱える時に使う仏具であります。これは数珠元来の用いられ方と同じで念仏を唱えた数を数えるときに使われました。
基本として数珠の珠は108個とされています。人間には108の煩悩があるとされているからです。数珠の珠の1つずつが108の煩悩を司る仏様であるとされているので、人間のあらゆる煩悩を珠が引き受けるとされています。このことから古来より厄除け、お守りとしての役割も果たしていいます。つまり、数珠はいつも手にかけているとお守りになります。
数珠に手を通すことで、仏、菩薩の世界と貴殿を結ぶ掛け橋となる、大切な仏具であると語られています。
数珠の種類
本式数珠(本連数珠)
珠が108個連なるものであります。これは念仏を数えるときに用いられる正式な数珠であります。基本的に非常に長いので用いるときは2重にして用いられます。ただし、宗派・使用者により形状・持ち方は様々であります。
略式数珠(片手数珠)
言葉どうりに本式数珠を簡略化した数珠であります。珠の数は108の約数である54個や36個で製作されることが多いです。ただし珠の数に決まりはなく珠の形状や完成した時の輪の大きさから珠の数を決めることもあります。
その他
宗派によって独自の形状や珠の数で製作されるものがあります。
数珠の材質
珠材
鉱物・宝石・貴石
「ラピスラズリ」・「石英」・「硨磲貝」・「珊瑚」「瑪瑙(オニキス)」・「真珠」・「金」・「銀」といった七宝が良いとされています。七宝以外では「翡翠」・「色付きの水晶(石英)」・「琥珀」・「トルマリン」・「タイガーズアイ」・「孔雀石」・「インド翡翠」などを用いることがあります。
木材・果実
「柘植」・「檜」・「梅」・「黒檀」・「紫檀」・「白檀」・「鉄刀木」・「沈香」・「菩提樹」などが用いられます。
その他
「象牙」などの動物質のものや、「ガラス」・「合成樹脂」などの人工物が用いられます。
中糸・房
「絹」もしくは「人工絹」・「ポリエステル」・「ゴム」などの人工物が用いられます。
注意点
保管の際、使われている数珠に使われている物の材質により適切な保管方法は異なります。虫に喰われるもの、傷つきやすいもの、湿度に注意しなくてはいけないもの、人の手汗・手垢に弱いものなど様々であります。それぞれの数珠にあった保管を心がけるべきでしょう。
数珠に関するQ&A
Q:数珠の使い方が分からない
A: 宗派により異なるため基本を説明します。
基本的に左手に持つ、もしくは掛けます。この時、房が下になるように持ちます。
合掌の際は左手に掛けた数珠に右手を添える、もしくは数珠の輪に両の手の親指以外の指を通し親指で挟んでください。
詳しくは各宗派に問い合わせることをお勧めします。
Q:どのような数珠を持てばよいのかわからない
A: 理想は宗派の本式数珠です。特定の宗派が無い、またはこだわりが無い場合は数珠に決まりはなく、好きな物を選んでよいでしょう。注意点として数珠には男性用・女性用があることを知っておいてください。
Q:数珠の糸が切れたらどうすればよい?
A:糸が切れたことで縁起が悪いと捉えるべきではありません。仏様が悪縁・厄を切ってくださったと捉えると良いでしょう。また、切れる前に修理に出すこともできます。
Q:お葬式等に数珠は絶対ないといけないものなの?
A:結論としては必須ではありません。礼儀として己が仏教徒であると思うならば持っておくべきものとなります。
Q:使わなくなった数珠を処分したい
A:数珠は念を込めて使うものであるため、寺院等に依頼して供養して頂くことが望ましいです。ただし、そのようなことを気にしないのであれば一般ゴミとして処分して頂いてもかまいません。
Q:カトリック教徒は仏式の葬儀において礼儀として数珠を持つべき?
A:カトリックであれば数珠を持っていても問題はありません。数珠を持つことに抵抗があるのであれば持たなくともよいでしょう。この場合数珠を持たないことは無礼にはなりません。
ただしプロテスタントの場合は数珠等認められないので注意が必要です。
Q:キリスト教徒が仏式の葬儀で十字架(ロザリオ)を使ってもよい?
A:十字架(ロザリオ)を所持しているだけであれば問題はありません。しかし用いた場合は非常に冒涜的で無礼な行為と認識されます。十字架(ロザリオ)を用いるのは避けたほうが良いでしょう。心配であるならば所持せず参列したほうが良いでしょう。
Q:数珠は貸し借りしてもよい?
A:原則として貸し借りはしてはいけないものです。数珠は持ち主と仏様を繋ぐ法具であり、持ち主の念が込められたものです。個別に持つべきものと考えられています。
Q:キリスト式の葬儀に参列する場合、数珠は持っていくべき?
A:葬儀中に数珠を用いることが無いため不要です。礼儀としては数珠等の仏具を持たないほうが良いでしょう。
数珠以外の持ち物は仏式の葬儀とは変わりありません。