エンバーミングとは?意味や費用、メリットについて解説します。

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2024.12.13

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エンバーミングとは?徹底解説します。

エンバーミングとは?徹底解説

はじめに

近年、日本でも耳にすることが増えた「エンバーミング」という言葉。しかし、その具体的な意味や目的についてはあまり知られていません。エンバーミングは、遺体を長期保存するための衛生的な処置として、欧米を中心に古くから行われてきました。本記事では、エンバーミングの概要やメリット、歴史、日本での普及状況、また具体的な施術内容について詳しく解説します。


エンバーミングとは?

エンバーミング(Embalming)は、遺体を保存し、衛生状態を保つための特殊な処置のことを指します。この技術により、遺体の腐敗を遅らせ、衛生的で自然な外見を保つことが可能となります。エンバーミングは、主に次の3つの目的で行われます。

○衛生管理:細菌やウイルスの感染拡大を防ぎます。

○見た目の維持:故人の自然な姿を保つため、顔色や表情を整えます。

○保存:遠方の親族が集まるまでの間、遺体を長期間安全に保管します。

日本ではまだ普及率が高くありませんが、海外、特にアメリカやヨーロッパでは一般的な遺体処置方法として定着しています。


エンバーミングのメリット

1.故人とのお別れの時間を確保できる

エンバーミングによって遺体の保存期間が延びるため、遠方に住む親族や友人が参列する時間的な余裕を持つことができます。特に、海外から帰国する家族がいる場合などに非常に有効です。

2. 衛生面の向上

遺体は、時間が経つごとに痛んでいきます。身体を自分で整える機能が停止しているため、日を追うごとに腐敗や雑菌の繁殖が進んでいきます。エンバーミングを施すことにより遺体から発生する細菌やウイルスの感染リスクを軽減できます。これにより、葬儀を安全で衛生的に執り行うことが可能になります。

3. 故人の自然な姿を保つ

遺体の状態としては、さまざまなケースがあるでしょう。例えば、病気で皮膚が痛んでしまったり、中には不慮の事故で亡くなったり、災害によって命が失われたりする可能性もあります。
以上のような場合、遺族としてはきれいな身体で送り出したいという理由からエンバーミングを依頼することがあるようです。顔や身体をできる限り修復し、整えてくれるので、顔色や表情を整えることで、故人らしい穏やかな表情を再現できます。これにより、遺族が安心して故人と向き合うことができ、心の整理をしやすくなるという心理的効果も期待できます。

4. 腐敗臭の防止

遺体は、死後すぐに硬直が始まっていきます。時間が経つことで、どんどん身体が腐っていき、臭いが発生するようになってきます。死後、数日以内に火葬を終わらせられる場合は問題ないようですが、場合によっては日数が経過した後に葬儀が執り行われる場合もあります。エンバーミング処置により、最大2週間程度腐敗を防ぐ効果が期待できるので、腐敗臭を大幅に軽減または防止できます。これにより、葬儀会場や安置所の環境が快適になります。


エンバーミングの歴史

古代エジプトにおけるミイラ作り

エンバーミングの起源は、古代エジプトのミイラ作りに遡ることができます。エジプトでは、故人の魂が永遠に安らかに眠るために、遺体の保存技術が発展しました。当時は香料や天然樹脂を使用して防腐処理を施していました。

現代エンバーミングの誕生

現代のエンバーミング技術は、19世紀のアメリカ南北戦争時に発展しました。戦死者の遺体を故郷へ運ぶ際、腐敗を防ぐために防腐処置が施されたことがきっかけです。その後、科学技術の進歩により、安全性や効果が向上し、一般の葬儀にも普及しました。


日本でのエンバーミングの普及状況

日本では、エンバーミングの普及率はまだ高くありません。その理由として、以下の点が挙げられます。

○火葬が主流:日本ではほとんどの遺体が火葬されるため、遺体を長期保存する必要が少ない。

○文化的な慣習:遺体をできるだけ自然のままにしておくという価値観が根付いている。

○費用の問題:エンバーミングは専門的な技術を要し、その分費用が高額になる。

ただし、近年では家族葬やお別れ会の形式が多様化する中で、エンバーミングを選択する遺族も増えてきています。


エンバーミングの具体的な施術内容

エンバーミングは、高度な専門知識を持つエンバーマー(遺体衛生保全士)によって行われます。主な流れは以下の通りです。

1. 遺体の清拭

遺体を清め、肌の汚れや化粧を落とします。

2. 防腐剤の注入

専用の防腐剤を血管内に注入します。これにより、血液や体内の水分が防腐剤に置き換えられ、腐敗を防ぎます。

3. 体内の清掃

体内にたまったガスや体液を除去し、必要に応じて薬剤を注入します。

4. 外見の整え

顔色を整えたり、故人の特徴を再現したりします。また、必要に応じて化粧を施します。

5. 最終確認

全体の仕上がりを確認し、故人が安らかな表情になるよう調整します。


エンバーミングにかかる費用

エンバーミングの費用は、施術内容や地域によって異なりますが、日本では一般的に 15万円から30万円程度 が相場です。これには、防腐処置や外見の整え、衛生管理に必要な作業が含まれます。他にもさまざまな点で費用がかかります。例えば、自宅から施術が可能な施設までの搬送費用や修復や化粧など、その都度加算されます。


エンバーミングを選ぶ際の注意点

エンバーミングを依頼する際には、以下の点に注意しましょう。

○信頼できるエンバーマーに依頼する:資格を持ち、経験豊富な専門家を選ぶことが重要です。

○事前に費用を確認する:追加料金が発生する場合もあるため、見積もりをしっかりと確認しましょう。

○家族の同意を得る:エンバーミングは文化的な価値観が関わるため、家族間で十分に話し合い、同意を得ることが必要です。


まとめ

エンバーミングは、遺体を衛生的に保存し、自然な姿でのお別れを可能にする技術です。故人との最後の時間を大切に過ごしたいと考える遺族にとって、選択肢の一つとして注目されています。また、埋葬までに時間がかかる場合は、エンバーミングを施すことを検討しても良いでしょう。エンバーミングが遺族にとって負担となる場合は、故人が亡くなった際には速やかに手続きを取ったり予約を入れたりすることで、少しでも日数を短くすることができるでしょう。

日本ではまだ普及しているとは言えませんが、葬儀の多様化が進む中で、今後利用者が増える可能性があります。エンバーミングのメリットや施術内容を正しく理解し、自分や家族に合った葬儀の形を選ぶ参考にしていただければ幸いです。

 

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