お布施の渡すタイミングや、渡し方、金額の相場、よくある質問など、すべてお答え。
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2024.10.06
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お布施の渡し方や、準備、金額について解説
お布施(おふせ)は、主に葬儀や法要などで僧侶に渡すお金のことを指します。これは、僧侶に対する感謝や供養をお願いするための心のこもった施しであり、特定の料金ではなく、あくまで「施し」の一環として行われます。
このお布施がご本尊をお守りする寺院の維持や活動費となります。対価や給料といった位置づけではないため、基本的にお布施の金額に決まりはありません。そのため、「いくら払えばよいか」「どのように渡すべきか」といった疑問を持つ人も多いでしょう。この記事では、お布施の意味やマナー、金額の相場、渡し方などを詳しく解説していきます。
お布施の意味
お布施は、仏教において重要な教えの一つである「布施行」に由来しています。「布施」とは、見返りを求めずに他者に施しを行うことを意味し、相手への感謝や敬意を表す行為です。お布施は、僧侶が仏教の教えに従って供養を行い、遺族や故人のために祈りを捧げることに対する感謝の気持ちとして行われます。
現代の日本においては、主に葬儀や法要の際にお布施を渡すことが一般的です。これにより、僧侶は故人の冥福を祈り、遺族の心の安定や故人の供養をサポートする役割を果たします。
お布施のタイミング
お布施は、葬儀や法事、法要の際には準備しておく必要があります。葬儀や法要、納骨式、戒名授与など、僧侶が関与する仏事の際に渡すことが一般的です。具体的なタイミングについては以下の通りです。
葬儀の際のお布施
葬儀では、通夜と告別式に出席する僧侶にお布施を渡します。明確な決まりはありませんがま、多くの場合は葬儀後のタイミングで渡すことが一般的です。葬儀当日に渡せなかった時は、後日お寺へ訪問して渡しましょう。
法要のお布施
法要では、初七日、四十九日、一周忌、三回忌などの節目に僧侶を招いて供養を行います。これらの法要の際にもお布施を渡します。
戒名授与のお布施
戒名を授かる場合、そのためのお布施も渡すことがあります。戒名は故人に与えられる仏教の名前で、これを僧侶に授与してもらう際にお布施を渡します。
お布施の金額の相場
お布施には「決まった金額」というものがないため、地域や寺院、僧侶の宗派によって異なります。相場を知ることで、適切な金額を渡すことができますが、最終的には自分の気持ちや感謝の気持ちを込めて決めることが重要です。以下は、一般的な相場の目安です。
葬儀のお布施の相場
葬儀におけるお布施の相場は、宗派や地域によって異なりますが、一般的には20万円〜50万円程度が目安とされています。これは、通夜や告別式に対するお布施や戒名料を含む金額です。戒名料が別途必要な場合は、その戒名のランクに応じて金額が変動することがあります。
法要のお布施の相場
法要の場合、一般的なお布施の相場は3万円〜10万円です。初七日や四十九日、一周忌、三回忌など、法要の規模や内容によっても異なります
納骨時の相場
故人の遺骨をお墓に納骨する際におこなわれるのが、納骨法要です。納骨法要は四十九日法要と同時におこなうこともあり、納骨法要のお布施相場は1~5万円です。
また納骨時には、お墓に故人の魂を宿らせる開眼供養をおこなうこともあります。開眼供養のお布施相場も同様に1~5万円ほどになります。
お盆の相場
お盆の際に行う法要の場合、お布施相場は5千円~2万円です。ただし、四十九日法要後初めてのお盆である新盆の場合は、3万円~5万円程度です。
戒名のお布施の相場
戒名は、一般的な「釋(しゃく)」の戒名であれば5万円〜20万円が相場ですが、戒名のランクが上がるにつれて金額も上がる傾向にあります。「院号」や「居士号」などの高位の戒名を希望する場合は、30万円〜50万円以上になることもあります。
お布施の渡し方とマナー
お布施を渡す際には、いくつかのマナーや注意点があります。特に、葬儀や法要は厳粛な場であり、適切な形で感謝の気持ちを伝えることが大切です。
お布施を包む封筒について
お布施は専用の「お布施袋」に包んで渡すのが一般的です。お布施袋は白い封筒で、表に「お布施」と書くことが多いです。書く際は、毛筆や筆ペンを使用し、丁寧に記載します。裏面には自分の名前を記入し、住所や日付は不要です。
お布施袋は市販されているものもありますが、手作りすることも可能です。大切なのは、感謝の気持ちを込めて丁寧に準備することです。
お布施を奉書紙で包む
お布施は奉書紙で包んで渡すのが正式な包み方です。お金を中袋に包み、奉書紙の裏面の中央から少し左に置きます。左・右・下・上の順に折り、裏面の上部の折り返しが上になるように折り重ねます。慶弔によって重ねる向きが異なるので、十分に注意しましょう。
水引は必要ない
香典には水引付の封筒が必要となりますが、お布施の場合は不要です。水引には「不幸を追い払う」という意味合いがありますが、お布施は僧侶に渡すものであり、お寺への不幸があってお渡しするものではないため水引は不要となります。
お札の入れ方
お布施はできる限り新札で用意します。お葬式の香典は新札を使わないことがマナーですが、お布施は僧侶への感謝を込めて事前に準備するものです。
僧侶に直接不幸が起きたわけではないため、新札でも失礼にはなりません。古いお札だと悪い印象を持たれてしまうこともあるので、どうしても新札の準備が難しい場合は、できるだけきれいな状態のお札を包みましょう。
お布施の渡し方
お布施は、葬儀や法要の前か後に僧侶に直接手渡すのが一般的です。お布施を封筒のまま渡すことしません。渡す際は、封筒を袱紗(ふくさ)に包み、僧侶の前で丁寧に取り出してから渡します。「本日はどうもありがとうございました」「お世話になります」といった言葉を添えて渡すと良いでしょう。
直接渡せない場合
遠方から僧侶に来てもらう場合や、直接渡せない事情がある場合は、郵送することも可能です。この場合も、お布施袋に包んだ状態で郵送し、感謝の気持ちを伝える手紙を添えると良いでしょう。
よくある質問と注意点
お布施に関しては、以下のようなよくある質問が寄せられます。
お釣りを要求してもよいか?
お布施は感謝の気持ちを示すものであり、料金としての性格は持たないため、お釣りを求めるのはマナー違反です。僧侶もお釣りを準備していることはありませんので、必ず切りの良い金額を用意しましょう。
クレジットカードで支払うことは可能か?
最近では、寺院によってはクレジットカードでの支払いに対応しているところもありますが、まだ一般的ではありません。基本的には現金で渡すことが多いです。クレジットカードで支払いたい場合は、事前に寺院に確認しておくと良いでしょう。
お布施の金額が不明な場合はどうするべきか?
お布施の相場や金額が分からない場合は、寺院に直接確認しても問題ありません。また、地域の習慣や親族に相談することも一つの方法です。葬儀社に相談して、適切な金額のアドバイスをもらうこともできます。
お布施の今後の考え方
お布施は、仏教の重要な教えの一つである「布施」を実践する行為です。そのため、形式や金額にとらわれすぎることなく、故人や自分の信仰心、感謝の気持ちを大切にした行動が求められます。最近では、故人の意向や家族の事情を考慮して、お布施の金額や渡し方を柔軟に考えるケースも増えています。
終活や生前整理の一環として、事前にお布施について準備しておくことは、遺族への負担を軽減する一助となります。