— 香芝市でお手伝いした家族葬 —
今回お手伝いさせていただいたのは、香芝市で執り行われた家族葬です。
ご親族様が最初にご相談に来られた際、率直に口にされたのは
「何から考えればいいのか分からなくて、不安でいっぱいです」
という言葉でした。
葬儀の流れや費用のこと、家族葬の進め方。
分からないことが重なり、判断に迷われていた中で、
いくつかの情報を調べる中で「一度話を聞いてみよう」と思われ、
エンセレモニーにご相談くださったと伺いました。
故人様についてお話を伺うと、
「とにかく明るくて、場の空気を軽くしてくれる人だった」
「元気をもらったという人が多かった」
と、ご家族や関係者の方から同じような言葉が何度も聞かれました。
そこで私たちは、
厳かさを強く出すよりも、故人様らしい明るさが自然に伝わる空間を目指し、
ご家族と相談を重ねながら式のかたちを整えていきました。
祭壇は白を基調にしながら、青や淡い色合いの花を取り入れ、
落ち着きの中に爽やかさを感じられる雰囲気に。
モニターの映像も落ち着きすぎないよう、やさしい色味を選びました。
「その人らしい明るさにしたい」
「この人らしく、前を向けるお別れにしたい」
そんなご家族の思いが、少しずつ空間に反映されていきました。
お打ち合わせの中で、副葬品についてもお話しました。
無理に用意するものではありませんが、
故人様が大切にされていた物を添えることで、
気持ちを整理するきっかけになることがあります。
当日、お柩のそばには、
好きだったビール・タバコが静かに並べられました。
それらを見ながら、ご家族が自然と思い出話をされていた姿が印象に残っています。
また、祭壇の前にはサッカーボールが一つ置かれていました。
そこには「先生、お疲れさまでした」というメッセージ。
故人様は生前、サッカーを通じて多くの人と関わってこられた方だったそうです。
そのボールを見つめながら、
「これを見ると、声が聞こえてくる気がする」
と静かに話されたご家族の言葉が心に残っています。
お別れの時間には、ご親族が一人ずつ花を手向け、
声をかけたり、思い出を語ったりしながら過ごされました。
涙だけではなく、「ありがとう」「お疲れさまでした」という言葉が、
自然と交わされていたのが印象的でした。
式を終えた後、ご親族様から
「最初は不安ばかりでしたが、この人らしいお別れができたと思います」
とお声をかけていただきました。
葬儀は、正解を探す場ではなく、
その人らしさと向き合い、気持ちを整える時間なのだと、
改めて感じさせていただいたご葬儀でした。
エンセレモニーでは、香芝市で家族葬をお手伝いする中で、
不安を抱えたままでも、まずは話をしていただける場であることを大切にしています。
分からないことを、何度でも聞いていただいて構いません。
明るく元気だった故人様の姿が、
これからもご家族の記憶の中で自然に思い出されていくように。
その時間を支えるお手伝いを、これからも丁寧に続けてまいります。
|