仏壇の基礎知識

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2024.03.16

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仏壇の基礎知識

仏壇は「小さなお寺」のようようなもの。

中心には本尊を置き、位牌はかたわらに置かせていただくのです。本尊は宗派によって異なります。

 

仏壇の意味

仏壇には「位牌」が納められているため、先祖を祀るためのものと思われがちですが、実はそうではありません。仏壇は家庭における「小さなお寺」。したがって主役はあくまでも「本尊」で、位牌はかたわらに置かせていただくのです。

なお、仏壇に位牌を祀るのは、亡くなった人はすべて仏になる(成仏する)という仏教の考え方によるものです。

 

仏壇の配置

仏壇の中心にあり、本尊を安置する場所を「須弥壇」といい、ここは聖域とされています。須弥壇は仏教の世界の中心にそびえ立ち、仏様が住むという須弥山を表しています。

本尊は、菩提寺の宗派に合わせて選びます。姿のある仏像か掛軸のどちらかを祀るのが一般的で、掛軸には仏の描かれた絵像や名号(「南無阿弥陀仏」の文字)などがあります。

仏壇には本尊のほか、両脇仏、位牌、過去帳(先祖の仏名、命日、俗名などが書かれている)、供物のための仏具、読経や礼拝のための仏具が置かれます。

 

主な宗派の本尊と両脇仏

宗派 ご本尊 両脇仏(向かって右) 両脇仏(向かって左)
真言宗 大日如来 弘法大師 不動明王
曹洞宗 釈迦如来 承陽大師 常済大師
臨済宗 釈迦如来 文殊菩薩 普賢菩薩
日蓮宗 大曼荼羅 大黒天 鬼子母神
浄土宗 阿弥陀如来 善導大師 法然上人
天台宗 阿弥陀如来 智者大師 伝教大師
浄土真宗(本願寺派) 阿弥陀如来 親鸞聖人 蓮如上人
浄土真宗(大谷派) 阿弥陀如来 十字名号 九字名号

 

仏壇の種類と安置の仕方

仏壇は、大きさと材質・仕上げによっていくつかの種類があり、価格はまちまちです。

できるだけ落ち着いて礼拝できる場所に安置しましょう。

 

仏壇の種類と特徴

安置場所と材質等で分類

仏壇は、まず材質や仕上げによって「塗仏壇(金仏壇)」と「唐木仏壇」に分けられます。

塗仏壇は杉、松、檜などを材料に、漆を重ね塗りし、金箔を施して、荘厳華麗に仕上げられています。

関西、東海、北陸、北九州地方で多く見られるようです。

唐木仏壇は、黒壇、紫檀、鉄刀木、桑、欅、桜など、重くて耐久性のある木材を使い、木目を生かして美しく格調高く仕上げたものです。関東、東北、四国地方でよく見られます。

さらに、仏壇を安置する場所やスペースに合わせて、大きく分けて3つのタイプがあります。

居間や仏間にじかに安置するのが「重ね型(台つき型)」。タンスの上などの限られたスペースに安置する小型の「上置き型」。地袋つきの仏間に安置する「地袋型」。もっとも一般的な重ね型には、仏間の大きさに合わせて、半減仏間用(間口が約91㎝)と一間仏間用(間口が約182㎝)があります。

 

価格は数万から数百万まで

価格は、大きさや材質などによって、数万円のものから数百万円のものまでありますが、20万円~50万円くらいのものが一般的のようです。

仏間とは・・・

仏壇を安置するスペースが「仏間」で、床の間と並べてつくられるのが一般的です。広さによって、一間仏間(間口が約182㎝)と半間仏間(91㎝)の2種類があり、仏壇もその寸法に合わせてつくられています。

地方によって多少、異なることもあるようです。

 

仏壇の安置

落ち着いて礼拝できる場所に

仏壇を安置する場所・向きについては諸説があります。

〇南面北座説:南向きに置く説です。直射日光が当たらず、風通しがよく湿気が防げるといいます。

〇本山中心説:仏壇に向かって、正座合掌したときに、宗派の方向を向くように置くというもの。方角はまちまちになります。

〇西方浄土説:仏壇を東に向けて安置します。こうすると、拝むたびに極楽浄土があるとされる西の方角に向かって礼拝できます。

住宅事情によっては難しいケースもありますが、家族が集まりやすく、落ち着いて礼拝ができる場所であれば、あまりこだわらなくてもいいようです。ただし、直射日光と湿気には気を付けましょう。また、神棚がある場合には、神棚と向かい合わない位置に置きます。

もうひとつ気をつけたいのが、本尊の高さです。座って礼拝する場合には本尊が目線の高さよりもやや上にくるようにします。立って礼拝する場合には、胸の高さより上になるようにします。

 

仏壇の購入

新しい仏のために購入するなら四十九日の法要までに用意し、開眼法要を行います。

選ぶときには寸法を間違えないように気を付けましょう。

 

仏壇の購入時期

四十九日の法要までに

新しい仏のために仏壇を購入する場合には、四十九日の忌明けの法要までに用意するのが望ましいですが、特別な決まりがあるわけではありません。四十九日に間に合わなければお彼岸やお盆、家の建て替えなどに合わせて購入することも多いようです。

誰もなくなっていないのに仏壇を買うと不幸を呼ぶなどという人もいますが、まったくの迷信ですので、心配する必要はありません。

 

仏壇の選び方

重要なのは寸法と予算

仏壇を安置する場所を決めたら、その場所の間口、奥行き、高さを正確に測ってメモしておきます。また、仏壇は観音開きで両側に扉が開くので、そのスペースも念頭に入れておきましょう。

次に予算です。仏壇を購入すれば必ず仏具も必要ですから、それらを合わせた総予算をあらかじめ決めておきましょう。

最近は仏壇と仏具がセットになっていることも多いようですが、本尊や飾り方が宗派に合っているか、不足はないかなどを確認することが大切。事前に菩提寺に相談するのもよいでしょう。

 

新しく仏壇を購入したら

開眼法要を営む

新しい仏壇を購入したときは、菩提寺に「開眼法要」をお願いします。「入魂法要」、「御魂入れ」とも呼ばれ、本尊や位牌が「尊像」に生まれ変わるための大切な儀式です。

この際、仏壇に対しては本尊を安置する清浄な場所にするための清めの儀式を行います。

なお、仏壇を買い替えた場合、古い仏壇はお寺か仏具店に供養してもらってから処分をしましょう。

四十九日の忌明けまでは白木の位牌(仮位牌)を飾っておきますが、開眼法要のときまでには、漆塗りか唐木の本位牌を用意しておかなければなりません。本位牌は仏具店で購入し、戒名を入れてもらいます。

この際、不要になった白木の位牌は、忌明け後に菩提寺に納めます。

 

仏具の種類と意味

仏壇にはさまざまな仏具が必要ですが、宗派を問わず欠くことができないのが三具足です。

香炉:線香や抹香を焚くための道具です。宗派によって焚き方が異なります。

花立て:生花や常花(金蓮華)を飾るための道具です。花はあまり丈が高くならないようにします。

燭台:ろうそくを立てる道具です。ろうそくは法要の種類によって色や長さが変わります。

※中央に香炉を置き、向かって右側に燭台、左側に花立を配置します。

 

仏壇の参り方と手入れ

お供えの基本は「五供」です。礼拝は毎日朝食前と夕食後に行います。手入れは日ごろからまめに行い、年に何度かは本格的に掃除をします。

仏壇の供物、供花

五供を大切にする

仏壇へのお供えは、菓子や果物ばかりではありません。線香や花も「お供え」といいます。宗派によって多少の違いはありますが、「香」、「花」、「灯燭(灯明)」、「浄水」、「飲食」の五つを「五供」といい、これがお供えの基本です。

:線香のことです。焼香に使う抹香でもいいのですが、抹香には種火が必要。毎日の礼拝では手軽な線香を使います。線香を焚くと、仏の慈悲の心がすべての人々に差別なく行き渡るように、香が部屋中に行き渡ります。

:供花はできるだけ新鮮な生花を飾るようにしましょう。

灯燭:仏壇を照らす明かりとして、ろうそくが欠かせません。ろうそくに火をつけるときは、ライターではなくマッチでつけ、燃えかすは香炉ではなくカス入れに。礼拝がすんだら手であおいでろうそくの火を消します。

浄水:本来は清浄な場所からくみ上げた水を供えるのですが、水道水で代用します。お茶を供える場合は一番茶を供えます。

飲食:自分たちの食べている主食を供えます。朝と夜、炊き立てのご飯を自分たちが食べる前に仏飯器に盛って供えます。

 

礼拝の基本

毎日、朝晩おがむ

仏壇に向かって拝むことを「礼拝」といいます。礼拝は毎日、できれば朝食前と夕食後に、家族そろって行うのが正式な作法です。礼拝は以下のように行います。

①仏壇の前にきちんと正座をし、数珠があれば手にかけて、軽く一礼します。

②ろうそくに火をともし、その火で線香に火をつけて香炉に立てます。鈴を2回、打って鳴らし、合掌します。

③数珠をかけて合掌し、できれば読経しましょう。読経を終わったら鈴を2回鳴らします。(読経しない場合には2度目の鈴は必要ありません)。

④最後にロウソクの火を手であおいで消し、軽く一礼して終わります。朝の礼拝後は、二重扉の仏壇は内扉だけを閉めます。夜の礼拝後には、外側の扉も閉めます。

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