“亡くなった後に急に押し寄せる感情”悲嘆と向き合うための心のケア

葬儀が終わり、少し落ち着いたはずなのに、
ある日突然、胸が締めつけられるような悲しみや不安が押し寄せてくる――。

「ちゃんと見送ったはずなのに」
「今になって、どうしようもなく苦しい」

香芝市でも、葬儀後しばらくしてから
強い感情の波に戸惑うご家族はとても多くいらっしゃいます。
この記事では、その気持ちの正体と、無理をしない心の整え方をお伝えします。

1. その感情は「悲嘆（ひたん）」という自然な反応です

大切な人を失ったあとに現れる強い感情は、
「悲嘆（グリーフ）」と呼ばれます。

悲嘆は、弱さでも甘えでもありません。
心が大切な存在を失ったことを、必死に受け止めようとする自然な反応です。

• 突然涙が出る
• 何もやる気が起きない
• 理由もなく不安になる
• 強い後悔の気持ちが湧いてくる

どれも「おかしなこと」ではありません。
それだけ故人様を大切に想っているからこそ生まれる感情だと受け止めていただければと思います。

2. なぜ、葬儀の後に強く現れるのか

葬儀の前後は、やることや考えることが多く、
気持ちを感じる余裕がないまま時間が過ぎていきます。

そして、葬儀が終わり日常が戻り始めた頃、
心が「やっと感じてもいい」と判断したときに、
抑えていた悲しみが一気にあふれ出すことがあります。

これは回復の過程のひとつであり、
決して「後戻り」ではありません。
香芝市でお手伝いしているご家族からも、
「少し落ち着いてきた時期に、急に涙が止まらなくなった」というお声をよく伺います。

3. 向き合い方に“正解”はありません

悲嘆には、次のような特徴があります。

• 人によって現れ方が違う
• 波のように強くなったり弱くなったりする
• 「もう大丈夫」と思ったあとでも来ることがある

「いつまでに立ち直らなければいけない」という期限はありません。
他の人と比べる必要も、急ぐ必要もありません。
あなたのペースで、少しずつ整えていけば大丈夫です。

4. 心が少し楽になるための、今日できること

（1）無理に前向きになろうとしない

「頑張らなきゃ」「元気を出さなきゃ」と自分を追い込むほど、
心は疲れてしまいます。
今は“悲しんでいい時期”だと、自分に許可を出してください。
何もできない日があっても、それは「ダメな日」ではなく、
心が休もうとしている大切な時間です。

（2）感情を押し込めず、外に出す

泣く、書く、話す。どんな方法でも構いません。
ノートに今の気持ちを書き出したり、
信頼できる人に「つらい」と一言もらすだけでも、心は少し軽くなります。
感情を外に出すことは、回復への大切な一歩です。

（3）「普通の生活」に戻れなくても大丈夫だと知る

以前と同じように動けない自分を責めないでください。
喪失を経験した心には、回復のための時間が必要です。
家事が少し手抜きになっても、仕事のペースが落ちても、
「今はそういう時期」と受け入れることが、結果的に心を守ります。

（4）小さな“心の休憩時間”をつくる

長い時間でなくても構いません。

• 温かい飲み物をゆっくり飲む
• 好きな香りを焚いてみる
• 近所を少しだけ散歩してみる

など、「自分をいたわる時間」を意識的につくることで、
感情の波に飲み込まれにくくなります。

5. 周囲の人にできる、やさしい関わり方

悲嘆の中にいる方に対しては、
無理に励ます必要はありません。

• 「つらいよね」と気持ちを認める
• 話したい時だけ話を聞く
• 黙ってそばにいる

「頑張って」「早く元気になってね」という言葉よりも、
「しんどいときは、いつでも言ってね」
「今日は一緒にご飯だけ食べようか」
といった、そっと寄り添う言葉が心を支えます。
アドバイスよりも、「一緒にいるよ」という姿勢が、何よりの支えになります。

6. ひとりで抱えきれないと感じたら

悲嘆が長く続き、日常生活が大きく辛くなってきた場合、
誰かに頼ることはとても大切な選択です。

・信頼できる家族や友人
・医師、看護師、カウンセラー
・自治体の相談窓口や専門機関
そして、葬儀後も寄り添う葬儀社も、その一つです。

「こんなことで相談していいのかな」と迷う内容でも構いません。
言葉にしてみることそのものが、心のケアにつながります。

7. エンセレモニーができる葬儀後の支え

エンセレモニーでは、葬儀が終わったあとも、
ご家族の気持ちに寄り添う相談を大切にしています。

• 誰にも話せない気持ちの相談
• 葬儀後に感じる不安や孤独感
• 「これでよかったのか」という気持ちへの寄り添い

答えを出すためではなく、
気持ちを置きに来る場所として、ご利用ください。
香芝市での家族葬に携わる立場から、
葬儀後も引き続き、ご家族の心のそばにいられる存在でありたいと考えています。

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