菩提寺とは何?菩提寺がないが、お葬儀で読経してもらいたい。そんな場合はどうする?

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2024.11.27

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葬儀における「菩提寺」とは何か、また菩提寺がない場合はどうする?

1. 菩提寺とは?

菩提寺(ぼだいじ)とは、その家の供養や法要をお願いしているお寺を指します。先祖代々の墓があるお寺が菩提寺である場合が多いです。菩提寺は、家族や一族の宗教的な活動の中心となり、法事や年忌法要などをお願いする際の窓口にもなります。

葬儀では、菩提寺の住職に読経や戒名の授与をお願いし、故人の成仏を祈る役割を担ってもらいます。家族の死後は先祖代々のお墓に納骨もできます。菩提寺は必ず持たなくてはいけないわけではありませんが、寺院霊園にお墓を購入する際などは、そのお寺を菩提寺とすることなどといった条件があることもあります。

菩提寺に関連する言葉として、檀那寺という言葉があります。檀那寺とは、お布施などを納めて経済的に支援をしているお寺を指します。

菩提寺と同様、そのお寺の宗旨に帰衣していますが、菩提寺と違い、必ずしもそのお寺に先祖代々のお墓があるわけでないこと、お寺を支える経済支援を行っていることが特徴です。最近では菩提寺と同じ意味で使われることもあるようですが、厳密には菩提寺と檀那寺は意味が異なります。

檀家とは

特定のお寺に属し、お布施などを納めて経済的な支援をしている家のことをいいます。つまり、檀那寺を持つ家のことです。菩提寺や檀那寺が特定のお寺を指しているのに対し、檀家は特定のお寺を支える家を指します。


2. 菩提寺がない場合はどうすれば良いのか?

菩提寺がない場合でも、葬儀を滞りなく行う方法があります。以下にいくつかの選択肢をご紹介します。

(1) 寺院を紹介してもらう

葬儀会社やセレモニーホールでは、希望する宗派に応じて読経や戒名をお願いできるお寺を紹介してもらうことができます。この場合、一時的にお寺と関わる形になるため、費用や流れについて事前に確認しておくことが大切です。なお、葬儀での読経をお願いしたからといって、そのお寺を菩提寺にしないくてはならないわけではありません。菩提寺を持たずにお墓を購入するときは、寺院霊園ではなく、公営や民間の霊園からお墓を探します。

(2) 宗教や宗派にこだわらない葬儀を選ぶ

無宗教葬や自由葬と呼ばれる形式では、僧侶を招かず、宗教儀式を行わない葬儀を選ぶことも可能です。親しい人々が集まり、故人を偲ぶ形で進行します。読経や戒名が必要ないため、費用を抑えられる場合があります。

(3) 地元のお寺に相談する

菩提寺がない場合でも、近隣の寺院に相談すれば、葬儀や供養を受け入れてもらえることがあります。後日、菩提寺として関係を築きたいと考える場合は、檀家として加入する意向を伝えると良いでしょう。

(4) 永代供養墓を利用する

もし菩提寺や墓を持つ予定がない場合は、永代供養墓を利用する選択肢もあります。これにより、故人の供養をお寺に一任することができ、遺族の負担を軽減することができます。


3. 菩提寺がある場合とない場合の違い

項目 菩提寺がある場合 菩提寺がない場合
葬儀の依頼先 菩提寺の住職 葬儀会社の紹介や他の寺院
戒名 菩提寺の住職が授与 紹介された寺院の住職が授与
費用 菩提寺との関係性で変動 紹介料や一時的な供養料が発生
その後の供養 菩提寺で継続的に供養 自由葬や永代供養墓を利用

 


4. 注意点

  • 宗派の確認:親族が異なる宗派の場合、進行や戒名の形式でトラブルが発生することがあります。事前に宗派を確認しておきましょう。
  • 事前相談の重要性:葬儀が急な場合でも、葬儀会社や寺院に早めに相談することでスムーズに進められます。

5. 菩提寺以外で葬儀や法要を行いたい場合の対応

何らかの理由で菩提寺以外で葬儀や法要を行いたい場合、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

(1) 他の寺院に相談する

菩提寺が遠方にあったり、事情があって菩提寺での葬儀が難しい場合、近隣の寺院や希望する宗派のお寺に相談できます。一般的に、檀家以外でも対応してくれるお寺が多いですが、以下を確認しておくと良いでしょう:

  • 費用:檀家以外の場合、通常の檀家より高額になることがあります。
  • 宗派の一致:宗派が異なると戒名や儀式の進行方法が変わる場合がありますので、事前に確認が必要です。

(2) 寺院を通さない選択

菩提寺以外で、寺院を利用せずに葬儀や法要を行う選択肢もあります:

  • 葬儀会社の斎場を利用:葬儀会社の手配で宗教色を抑えた葬儀や自由葬を行うことが可能です。
  • 無宗教葬や自由葬:僧侶による読経や戒名の授与を行わず、家族や親しい人だけで進行する形が選ばれることもあります。これにより、形式に縛られず故人らしいお別れを演出できます。

(3) 公営や民間の霊園を利用する

菩提寺にお墓がある場合でも、他の霊園で葬儀後の供養を行うことが可能です。以下の手順が一般的です:

  1. 新しいお墓を購入:公営または民間の霊園でお墓を購入し、供養をお願いする。
  2. 永代供養墓を利用:個別の墓地を持たず、供養を霊園や寺院に委託する。

(4) 遺族の希望を尊重した方法を選ぶ

  • 菩提寺以外での葬儀や法要を希望する場合、その理由を家族や親族と共有しておくと良いでしょう。特に、故人の遺志がある場合は、しっかりと伝えておくことが大切です。

6. 菩提寺以外で行う際の注意点

菩提寺以外で葬儀や法要を行う場合には、以下の点に注意しましょう。

(1) 菩提寺への事前連絡

  • もし既に菩提寺がある場合、別の寺院で葬儀や法要を行う旨を伝えておくことが望ましいです。
  • 特に戒名を授与済みの場合や、過去の供養歴がある場合は、菩提寺との関係を尊重しつつ対応することが大切です。

(2) 後々の供養の計画

葬儀後、法要や墓参りをどのように行うかを計画しておくとスムーズです。特に、檀家制度に入らない場合でも、定期的な供養をどうするか考えておくと良いでしょう。


菩提寺以外で葬儀や法要を行うことは可能ですが、事前の相談や計画が成功の鍵となります。いずれの選択肢を選ぶにしても、故人と遺族にとって最も納得できる形を大切にすることが重要です。

菩提寺の有無に関わらず、故人をしっかりとお見送りできるよう、葬儀会社や寺院と連携しながら進めていくことが大切です。

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