献杯って何?献杯のタイミングや手順、注意点や、続柄別の挨拶例文をご紹介。

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2024.09.27

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献杯について、意味やマナー、手順に挨拶文まで解説。

献杯とは

**献杯(けんぱい)**とは、葬儀や法要の席で故人を偲び、冥福を祈るために行う儀式の一つです。通常の乾杯とは異なり、祝福やお祝いの意味はなく、故人への敬意や追悼の気持ちを込めて行われます。献杯は、葬儀の会食や法要の席で、参列者が集まって故人を偲ぶ場面で行われることが多いです。

献杯の意味と由来

献杯の「献」には、敬意を払って捧げるという意味があります。通常の乾杯が「健康を祝う」「繁栄を祈る」といったポジティブな意味合いを持つのに対し、献杯は故人の魂を偲び、その冥福を祈る行為です。

日本の伝統的な儀礼では、古くから神様や先祖に対してお酒を捧げる風習がありました。この風習が葬儀や法要の場面でも行われるようになり、故人を偲ぶための献杯へと発展したと考えられています。

献杯を行うタイミング

献杯を行うタイミングは、主に以下の場面です。

  1. 通夜振る舞い: 通夜後の食事会の際に献杯を行うことがあります。この場合、遺族や親族が集まり、故人を偲びながら食事を取る場で行われます。

  2. 葬儀・告別式後の会食: 葬儀や告別式が終わった後の会食(精進落とし)で献杯が行われます。精進落としは、故人を送った後に参加者の気持ちを和らげる場でもあるため、ここで献杯をすることで故人への感謝と追悼の気持ちを表します。

  3. 法要の会食: 一周忌や三回忌といった法要の会食の際にも献杯が行われます。参列者全員で故人を偲びながら、静かに献杯を行います。

献杯の方法とマナー

献杯には、通常の乾杯とは異なる特別なマナーがあります。以下の手順とポイントを押さえて、正しい方法で献杯を行いましょう。

献杯の手順

  1. 代表者の挨拶:

    • 献杯は、家族や親族の代表者、あるいは進行役が行うことが一般的です。
    • 代表者が「これより故人を偲び、献杯を行います」と宣言します。
  2. 献杯の音頭:

    • 代表者が「献杯」と言うと、参列者全員が静かにお酒を持ち上げます。この際、「乾杯」と言わないように注意しましょう。
  3. 黙って杯を口にする:

    • 参列者は、献杯の合図で杯を持ち上げ、静かに口元に運びます。
    • この際、一言も発せず、故人を偲ぶ気持ちでお酒を口にします。
  4. 杯を置く:

    • お酒を一口飲んだ後、静かに杯を置きます。献杯の際は、あまりお酒を多く飲みすぎないようにしましょう。

献杯のマナー

  • 音を立てない: 献杯は故人を偲ぶ厳かな儀式であるため、杯を置く際に音を立てないように心がけましょう。
  • 笑い声や会話は控える: 献杯の際は、静粛な雰囲気を保つことが大切です。笑い声や無駄な会話は控え、故人に敬意を払う姿勢で臨みましょう。
  • アルコールが飲めない場合: お酒が飲めない方は、お茶や水などを代わりに使っても問題ありません。ただし、同じように静かに献杯の儀式に参加することが大切です。

献杯で使われるお酒について

献杯では、日本酒、焼酎、ビールなどが一般的に使われますが、特に決まった種類があるわけではありません。故人が生前に好んでいたお酒を用意することもあります。また、宗教的な理由でアルコールを飲まない場合や未成年者が参加する場合は、お茶やジュースで代用することも許容されています。

献杯に関する注意点

  1. 乾杯との違い:

    • 乾杯は、祝宴や祝いの席で行われるもので、華やかな雰囲気を伴います。しかし、献杯は故人を偲ぶための厳粛な儀式です。そのため、言葉遣いや態度には細心の注意が必要です。
  2. 無理にお酒を飲まない:

    • 献杯の際に、無理にお酒を飲む必要はありません。体調や宗教上の理由などで飲めない場合は、軽く口をつけるだけでも構いません。
  3. タイミングに気をつける:

    • 献杯は、故人への追悼を目的としているため、笑顔や賑やかな雰囲気で行うものではありません。献杯が終わるまでは、静かに故人を偲ぶ姿勢を保つことが大切です。

献杯の挨拶例

1. 故人が父親の場合

「本日は、私たちの父○○のためにご参列いただき、誠にありがとうございます。生前、父は家族を大切にし、多くの方々に支えられておりました。皆様と共に、父のご冥福を心よりお祈りし、ここに献杯を捧げたいと思います。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

2. 故人が母親の場合

「本日は、私たちの母○○のためにご参列いただき、誠にありがとうございます。母は生前、家族や周囲の方々に愛情を注いでまいりました。皆様と共に、母の安らかな旅立ちをお祈りし、ここに献杯を捧げさせていただきます。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

3. 故人が配偶者の場合

「本日は、私の妻(夫)○○のためにご参列いただき、誠にありがとうございます。共に歩んだ日々を胸に、彼女(彼)を送り出したいと思います。皆様と共に、彼女(彼)の冥福を祈りつつ、献杯を捧げたいと思います。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

4. 故人が兄弟姉妹の場合

「本日は、私たちの兄(弟・姉・妹)○○のためにお越しいただき、心より感謝申し上げます。兄(弟・姉・妹)は、多くの方に支えられながら生きてきました。皆様と共に、兄(弟・姉・妹)の冥福をお祈りし、ここに献杯を捧げたいと思います。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

5. 故人が友人・知人の場合

「本日は、私たちの友人○○さんのためにご参列いただき、ありがとうございます。○○さんは生前、私たちに多くの思い出と笑顔を与えてくれました。皆様と共に、彼(彼女)の冥福をお祈りし、ここに献杯を捧げたいと思います。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

6. 故人が職場の上司・同僚・部下の場合

  • 上司の場合:

    「本日は、○○部長(課長・社長)をお送りするにあたり、お集まりいただき誠にありがとうございます。私たちを常に導いてくださった○○部長に、心からの感謝を込めて、皆様と共に献杯を捧げたいと思います。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

  • 同僚の場合:

    「本日は、私たちの同僚○○さんのためにお集まりいただき、ありがとうございます。○○さんはいつも仲間として共に歩んでくれました。皆様と共に、彼(彼女)の冥福をお祈りし、ここに献杯を捧げたいと思います。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

  • 部下の場合:

    「本日は、○○さんのためにご参列いただき、ありがとうございます。彼(彼女)は、常に私たちを支え、一生懸命に努力してくれました。皆様と共に、彼(彼女)の冥福をお祈りし、ここに献杯を捧げたいと思います。どうぞ、杯をお手にお取りください。献杯。」

これらの例文を参考に、故人との続柄や関係性に合わせて献杯の挨拶を行うことで、故人への想いをより丁寧に伝えることができます。

献杯の際に気を付けたいこと

  • お酒の量に気を付ける: 献杯はあくまでも故人への敬意を表すものですので、お酒を飲みすぎてしまうことは避けましょう。
  • 他の人とペースを合わせる: 代表者が献杯の音頭を取る際は、そのタイミングに合わせて行動するよう心がけましょう。
  • 感謝の気持ちを忘れない: 献杯は故人への感謝と追悼の気持ちを表す儀式です。真心を込めて参加することが大切です。

まとめ

献杯は、葬儀や法要の場において故人を偲び、感謝の気持ちを捧げる厳粛な儀式です。通常の乾杯とは異なり、静かで慎重なマナーが求められます。献杯を行う際は、代表者の言葉や参列者の動作が調和することで、故人への敬意がより一層深まるものです。

葬儀や法要の席で献杯を行う際には、紹介したマナーや手順を参考にし、故人への追悼と感謝の気持ちを忘れずに参加しましょう。そうすることで、参列者全員が故人を偲び、心からの弔いの場を作り上げることができます。

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