墓じまいとは?墓じまいするかどうかの決断やプロセス、手続きについて解説

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2024.07.11

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「墓じまい」する?しない?決断とタイミングについて解説!

社会の変化を受けて、増加する墓じまい

お墓に関する問題で近年増えているのが、「墓じまい」です。

お墓は代々受け継がれていくものでした。しかし、少子化や地方の過疎化などが進む昨今、遠方のお墓を管理できない方も増えています。

「子どもに負担をかけたくない」、「お墓が遠方にありお墓参りが難しい」、「夫婦それぞれの実家のお墓を守るのが大変」など供養に関する価値観の変化から、お墓じまいを検討する方が増加しています。

お墓を解体し、撤去した後に別の方法で供養する「墓じまい」について知っておけば、お墓の管理に悩むこともなくなるかもしれません。この記事では墓じまいをするかしないかの決断や、タイミング、費用、必要な手続きなどを詳しく解説します。

墓じまいとは何か?

墓じまいとは、先祖や家族の遺骨を墓から取り出し、墓を撤去することを指します。この過程では、遺骨を他の場所(例えば、新しい墓地や納骨堂)に移したり、散骨したりすることが一般的です。日本の伝統的な価値観では、先祖代々のお墓を守ることが重要視されてきましたが、近年では墓じまいを選択する家庭も増えています。

墓じまいをするかしないかの決断

墓じまいを考える理由

墓じまいを考える理由は多岐にわたります。以下はその代表的な理由です。

  1. 後継者問題
    墓の管理を引き継ぐ後継者がいない場合、墓じまいを検討する家庭が多いです。都市部への人口移動が進む中、故郷に残された墓の管理が難しくなるケースが増えています。
  2. 経済的な理由
    墓の維持費や管理費が家計の負担となることがあります。特に、遠方にある墓の場合、定期的な訪問や管理が困難で、費用もかさむことがあります。
  3. 地理的な理由
    住んでいる場所と墓地が遠く離れている場合、墓参りが難しくなることがあります。家族が全国各地や海外に散らばっている場合、集まって墓参りをすることが難しくなるため、墓じまいを選ぶことがあります。
  4. ライフスタイルの変化
    現代のライフスタイルの変化に伴い、墓参りや墓の維持に対する価値観も変わりつつあります。ペットと一緒に眠れる墓地や、自然に還ることを選ぶ人も増えています。

墓じまいをしない理由

一方で、墓じまいをしないという選択肢もあります。以下はその理由です。

  1. 伝統や信仰の尊重
    先祖代々のお墓を守り続けることは、家族の絆や伝統を大切にする行為と考える人が多いです。特に信仰心が強い家庭では、墓じまいを避ける傾向があります。
  2. 心理的な安心感
    墓が存在することで、先祖や亡くなった家族とつながっているという心理的な安心感を持つ人もいます。墓参りを通じて故人を偲ぶことが心の支えになることがあります。
  3. 家族の反対
    墓じまいをすることに対して、家族や親戚からの反対があることもあります。特に、家族や親族の中で墓じまいに対して強い意見を持つ人がいる場合、その意見を尊重する必要があります。家族間で十分な話し合いを行い、全員が納得した上で決断することが重要です。

墓じまいの決断とタイミング

墓じまいの適切なタイミング

墓じまいをするタイミングについては、個々の家庭や状況によりますが、以下のような時期が一般的です。

  1. ライフイベントの転機

・子供の独立: 子供たちが独立し、後継者がいないことが明確になった時。

・定年退職: 定年後のライフスタイルの変化に合わせて、墓の維持が困難になることが考えられます。

     2.経済的な節目

・収入の変化: 収入が減少し、墓の維持費用が家計の負担となる時。

・相続のタイミング: 相続の際に墓の管理をどうするかを家族で話し合うことがあります。

3.物理的な条件の変化

  • 引越しや移住: 住む場所が変わり、遠方の墓地の管理が難しくなった時。
  • 墓地の状況: 墓地の環境が悪化したり、墓地の運営が不安定になった場合。

墓じまいの決断のプロセス

墓じまいの決断をするには、以下のステップを踏むことが推奨されます。

1.家族との話し合い

家族全員が納得できるように、十分な時間をかけて話し合いましょう。異なる意見や感情を尊重しながら、最適な解決策を見つけることが大切です。

2.情報収集

墓じまいに関する情報を収集し、法律的な手続きや費用について理解を深めましょう。専門家のアドバイスを求めることも有効です。

3.墓じまいの計画作成

  • 墓じまいの具体的な計画を立てます。遺骨の移転先、撤去の方法、関係する手続きなどを整理します。

4.専門業者の選定

  • 信頼できる墓じまい専門業者を選びましょう。口コミやレビューを参考にし、実績のある業者を選ぶことが重要です。

墓じまいの費用について

墓じまいにかかる費用の内訳

墓じまいの費用は、以下のような要素で構成されています。

墓の撤去費用

墓石の解体・撤去作業には、専門的な技術が必要です。撤去費用は、墓石の大きさや設置場所によって異なりますが、一般的には数十万円が相場です。

遺骨の取り出しと移転費用

遺骨を取り出し、他の場所に移すための費用がかかります。移転先としては、新しい墓地や納骨堂、樹木葬などが考えられます。

供養費用

遺骨を移転する際には、供養を行うことが一般的です。供養費用も含めて、総額を考慮する必要があります。

手続き費用

墓じまいに伴う役所での手続きや書類の作成には、手数料がかかることがあります。これらの費用も事前に確認しておきましょう。

その他の費用

墓じまいに関連する交通費や業者との打ち合わせ費用など、予期せぬ出費も発生する可能性があります。

費用を抑える方法

墓じまいの費用を抑えるためには、以下のポイントを考慮することが有効です。

複数の業者から見積もりを取る

複数の業者に見積もりを依頼し、比較することで適正価格を把握できます。価格だけでなく、サービス内容や評判も考慮して選びましょう。

遺骨の移転先を慎重に選ぶ

新しい墓地や納骨堂の費用を比較し、自分の予算に合った場所を選びましょう。樹木葬や散骨など、比較的費用が抑えられる選択肢も検討してみてください。

自分でできることは自分で行う

可能であれば、自分でできる手続きを行い、業者に依頼する範囲を限定することで費用を抑えることができます。

公的支援や助成金

一部の自治体では、墓じまいに対する公的支援や助成金制度を設けている場合があります。地域によって異なるため、事前に自治体のホームページや窓口で確認し、利用できる支援を活用しましょう。

墓じまいの手続きと注意点

墓じまいの手続き

墓じまいを行う際には、以下の手続きを行う必要があります。

自治体への届け出

墓じまいを行うためには、自治体に届け出を行う必要があります。遺骨の移転先や撤去の理由などを記載した書類を提出します。

墓地管理者への連絡

墓地管理者に墓じまいの意向を伝え、必要な手続きを進めます。墓地管理者との連絡を密にし、スムーズに作業を進めましょう。

遺骨の取り出しと移転

遺骨を取り出し、新しい安置場所に移します。この際、供養を行い、遺骨を丁重に扱うことが重要です。

墓石の撤去

墓石の解体・撤去作業を行います。専門業者に依頼し、適切に処理してもらいます。

最終確認と報告

すべての作業が完了したら、自治体や墓地管理者に報告し、手続きが完了したことを確認します。

墓じまいの注意点

墓じまいを行う際には、以下の点に注意することが重要です。

家族・親戚とのコミュニケーション

墓じまいは家族や親戚にとっても大きな決断です。全員が納得した上で進めるよう、十分な話し合いを行いましょう。

法律や規則の確認

墓じまいには法律や地域の規則が関わるため、事前に確認しておくことが重要です。違反すると罰則がある場合もあるため、注意が必要です。

専門家のアドバイス

墓じまいは専門的な知識が必要な場合があります。墓じまい専門業者や法律の専門家からアドバイスを受けることで、スムーズに進めることができます。

感情面のケア

墓じまいは感情的にも大きな影響を与えることがあります。特に、長年守り続けたお墓を撤去することは心の負担となるため、家族全員の感情面にも配慮しましょう。

まとめ

墓じまいは、現代の社会変化や個々の家庭事情により、選択肢の一つとして増えてきました。後継者問題や経済的な理由、地理的な制約など、さまざまな理由で墓じまいを検討する家庭が増えています。一方で、伝統や信仰を大切にし、墓じまいを避ける選択をする家庭も少なくありません。

墓じまいをするかどうかの決断は、家族全員の意見を尊重し、十分な話し合いを行うことが重要です。また、適切なタイミングで墓じまいを行うためには、事前の情報収集と計画作成が欠かせません。

費用面でも、適正な価格を把握し、複数の業者から見積もりを取ることで、コストを抑えることが可能です。さらに、公的支援や助成金を活用することで、経済的な負担を軽減することもできます。

墓じまいは、先祖や家族の遺骨を新たな場所に移し、丁寧に供養する重要なプロセスです。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めることで、心の負担を軽減し、納得のいく形で先祖を偲ぶことができるでしょう。

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